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Step.06 4科目の特徴を知るべし!【電験三種~不動の法則~】
合格を導く20のステップ
2024.11.08
あしたの「主任技術者」のために
電験三種の受験者は、初めて挑戦する「ビギナー」から、何度も対峙している「エキスパート」まで、そのレベルは多岐にわたっている。だが、試験自体は小学生のときから経験し、複数の科目について、枚挙にいとまがないほど対策に取り組んできたはず。そのため、独自の方法で受験のコツが身についていると推測できる。
しかし、国家資格となると話は別。範囲が広く、出題パターンも独特なため、その試験にマッチした対策が要求される。
そこで「合格を導く20のステップ」だ。栄冠をつかむために、どのように取り組むべきか。そのメソッドを紹介していく。
あしたのために、さあ、いまこそ立ち上がろう!
Step.06 4科目の特徴を知るべし!
電験の4つの試験科目には、それぞれ独自の特徴がある。これらを熟知して、学習にメリハリをつけることが理解度のアップには不可欠である。
(1)理論の特徴とアドバイス
・すべての科目の基礎となり、計算問題が多くて学習に時間がかかる。
・数学の基礎(ベクトル、複素数、三角関数)を確実にマスターしておく。
・「直流回路」「単相交流回路」「三相交流回路」「電界」「磁界」「計測」「電子回路」の順で学習を進めると有効で、回路の計算は特に重要である。
・回路計算は、最終的には三相のY結線やΔ結線の問題が難なく解けるレベルを目指す。
(2)電力の特徴とアドバイス
・計算問題より論説問題のウエイトが大きい。
・発電、変電、送電、配電をシステムとして考え、各設備の役割、運用上の現象と対策について理解する。
・計算問題では、水力発電の出力、揚水の所要動力、火力発電の熱効率、変圧器の並行運転、電圧降下、電力損失、%インピーダンスを用いた短絡電流は確実に取り組んでおきたい。
(3)機械の特徴とアドバイス
・出題範囲が広く、全体の学習に時間がかかる。
・出題頻度の高い「回転機(直流機、同期機、誘導機)」「変圧器」「自動制御」の理解が合格を左右する。
・回転機は発電機と電動機の回転原理を習得し、等価回路を描けることが要求される。
・同期機は短絡比、誘導機はすべり、変圧器は巻数比、電圧変動率、規約効率をスムーズに解けるような学習が必要である。
(4)法規の特徴とアドバイス
・電気事業法、電気工事士法、電気工事業法、電気用品安全法は出題されやすい。
・電気設備技術基準(電気設備に関する技術基準を定める省令)や解釈(電気設備の技術基準の解釈)は苦手な受験者が多いが、電気主任技術者には必要不可欠な法令である。過去問の出題分野を集中的に取り組むことが有効だ。
・B問題の計算問題は過去問をテーマとした学習が有効で、出題率も高い。
プロフィール
不動弘幸(ふどう・ひろゆき)
技術士事務所を経営する傍ら、資格試験の講師として全国各地を駆けめぐる合格案内人。電気分野を中心に、さまざまな資格に精通し、独自に確立した合格メソッドは多くの受験者から絶大な支持を得ている。オーム社が主催する「電験三種突破研究会」では約40年にわたって電力の講師を務め、合格者の輩出に全身全霊を傾けた。通称「ミスター電験」。
(撮影協力/一般財団法人 関東電気保安協会)
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