Q&A
融着接続機は国内メーカーと海外メーカーどっちがいい?【電気通信工事「虎の巻」1】
レジェンド・コニタンが伝授する!
2023.07.20
Question.01
融着接続機は、どこのメーカーがいい? 国内? 海外?
Answer
国内メーカーを選んだほうがいいね。
いきなりQ&Aで始まったけど、このコーナーは電気通信工事の黎明期から業務に携わってきたボク(コニタン)が、電気通信工事にまつわるギモンを解決するというものなんだ。近年、電気工事士でも「電気通信工事」を手がけることが多く、難しい作業に直面している経験も少なくないんじゃないかな。そんなときはボクに聞いてよ。電気通信工事のイロハを踏まえながら、わかりやすく解説するからさ!
さて、それじゃあ、最初のQに答えていこう。
光ファイバは、わずか0.1mmという極細のガラス繊維で、接続には「融着接続機」という専用の機器が必要になるんだ。これを最初に製品化したのが、たしか国内メーカーだったと思うんだよね。当時の融着接続機は高価で、サイズも大きかったから、取り扱いが難しくて苦労したなぁ~。いまでこそ使いやすくなったから誰でもできるけど、光ファイバの接続には技術が必要な特別な仕事だったんだよね。
だから、ボクは「NTT御三家」といわれているメーカーの技術講習会をすべて受講して資格を取ったんだ。たぶん、この3社の修了者はめずらしいんじゃないかな…… って、ちょっと自慢しちゃうよ。
実は、リーズナブルな海外製品がリリースされるようになってからは、今回のテーマと同様の相談を受ける機会が多くなったんだ。この間、海外メーカーの融着接続機に触れる機会があったから、試しに会社で使ってみたんだよ。
個人的な感想として「現場で使うには少しコワイ」といった評価かな。精度でいうと国内メーカーの10年前レベルという印象だったね。
ここまで差が生まれた理由には、国内メーカーが光ケーブルを製造していることもあると思うよ。海外メーカーの多くは融着接続機だけを製造しているからか、各接続パラメータに疑問があるんだよね。以前、海外メーカーの技術者と話す機会があったから気になっていることを確認したとき、光ケーブルの入手に苦労しているって言ってたんだ(すべてのメーカーでの話じゃないことを祈りたい……)。そうなると、何を基準に値を設定しているんだろうなって感じたよ。
融着接続機はリースも多いけど、ほとんどが国内メーカーなんじゃないかな。トラブルなく作業できるから選ばれているんだと思うよ。
さて、これで回答は以上だ。わかったかな? わからないことは何でも聞いてね。
<プロフィール>
小西 治彦(こにし・はるひこ)
電気通信工事の「生き字引」的な存在。豊富な知識と経験から施工マニュアルの作成やメーカーとの製品開発にも携わり、工事関係者から厚い信頼を得ている。全国情報配線施工技能士会の理事を務め、親しみのある陽気なキャラクターから、さまざまな相談が寄せられる。通称、コニタン。