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新エネルギーの各種発電にまつわる×と〇を解き明かす【シン・Dr.フドー研究所】Vol.16
電験三種の論説問題にズームイン
2026.08.20
Vol.16
新エネルギー発電関連③
電験の学習が、どのように現場実務に結びつくかを研究する「Dr.フドー研究所」。設立から4年、電験三種の問題を徹底的に分析し、現場実務と照合した結果、論説の「正誤問題」と「空白問題」に攻略の糸口をみつけることができた。電験三種を制し、主任技術者を志す受験者に狂喜乱舞のテーマを究明する。それが「シン・Dr.フドー研究所」だ。
正誤問題の「×の理由」とは? そして、空白問題に潜む「〇の理由」とは?
正解の理由に迫ることで知識を確実にストックし、現場実務とのリンクを盤石にすることができる。さあ、いますぐ研究所のドアをノックしようじゃないか!
各種発電(3)
問題 電気エネルギーの発生に関する記述として、誤っているのは次のうちどれか。
(1)風力発電装置は風車、発電機、支持物などで構成され、自然エネルギー利用の一形態として注目されているが、発電電力が風速の変動に左右されるという特徴を持つ。
(2)わが国は火山国でエネルギー源となる地熱が豊富であるが、地熱発電の商用発電所は稼働していない。
(3)太陽電池の半導体材料として、主に単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンが用いられており、製造コスト低減や変換効率を高めるための研究が継続的に行われている。
(4)燃料電池は振動や騒音が少ない、大気汚染の心配が少ない、熱の有効利用によりエネルギー利用率を高められるなどの特長を持ち、分散形電源の一つとして注目されている。
(5)日本はエネルギー資源の多くを海外に依存するので、石油、天然ガス、石炭、原子力、水力など多様なエネルギー源を発電に利用することがエネルギー安定供給の観点からも重要である。
2008(平成20)年度「電力」問5
×の理由
わが国は火山国でエネルギー源となる地熱が豊富で、九州や東北地方などで地熱発電の商用発電所が稼働している。
上記より、誤っている選択肢は(2)と判断できる。
答(2)
各種発電(4)
問題 電力の発生に関する記述として、誤っているものは次のうちどれか。
(1)地熱発電は、地下から発生する蒸気の持つエネルギーを利用し、タービンで発電する方式である。
(2)廃棄物発電は、廃棄物焼却時の熱を利用して発電を行うもので、最近ではスーパーごみ発電など、高効率化を目指した技術開発が進められている。
(3)太陽光発電は、最新の汽力発電なみの高い発電効率をもつ、クリーンなエネルギー源として期待されている。
(4)燃料電池発電は、水素と酸素を化学反応させて電気エネルギーを発生させる方式で、騒音、振動が小さく分散型電源として期待されている。
(5)風力発電は、比較的安定して強い風が吹く場所に設置されるクリーンな小規模発電として開発され、近年では単機容量の増大が図られている。
2006(平成18)年度「電力」問3
×の理由
最新の汽力発電の効率は40%程度であり、これに比べて太陽光発電の発電効率は20%以下と低い。
上記より、誤っている選択肢は(3)と判断できる。
答(3)
各種発電(5)
問題 各種の発電に関する記述として、誤っているものは次のうちどれか。
(1)溶融炭酸塩型燃料電池は、電極触媒劣化の問題が少ないことから、石炭ガス化ガス、天然ガス、メタノールなど多様な燃料を容易に使用することができる。
(2)シリコン太陽電池には、結晶系の単結晶太陽電池や多結晶太陽電池と非結晶系のアモルファス太陽電池などがある。
(3)地熱発電所においては、蒸気井から得られる熱水が混じった蒸気を、直接蒸気タービンに送っている。
(4)風力発電は、一般に風速に関して発電を開始する発電開始風速(カットイン風速)と停止する発電停止風速(カットアウト風速)が設定されている。
(5)廃棄物発電は、廃棄物を焼却するときの熱を利用して蒸気をつくり、蒸気タービンを回して発電をしている。
2005(平成17)年度「電力」問5
×の理由
地熱発電の代表的なものにフラッシュ発電とバイナリー発電がある(図1、2)。
・フラッシュ発電
蒸気井(生産井)から得られる熱水が混じった蒸気を、直接、蒸気タービンに送るのではなく、気水分離器で分離した蒸気を蒸気タービンに送る。
・バイナリー発電
地中の熱水や蒸気が中低温で十分な蒸気が得られない場合、水より沸点の低い媒体(ペンタンなど)を熱水で加熱して蒸気をつくる。この蒸気を蒸気タービンに送る。
上記より、誤っている選択肢は(3)と判断できる。
答(3)


各種発電(6)
問題 各種の発電に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)うちから一つ選べ。
(1)燃料電池発電は、水素と酸素との化学反応を利用して直流の電力を発生させる。化学反応で発生する熱は給湯などに利用できる。
(2)貯水池式発電は水力発電の一種であり、季節的に変動する河川流量を貯水して使用することができる。
(3)バイオマス発電は、植物などの有機物から得られる燃料を利用した発電方式である。さとうきびから得られるエタノールや、家畜の糞から得られるメタンガスなどが燃料として用いられている。
(4)風力発電は、風のエネルギーによって風車で発電機を駆動し発電を行う。風力発電で取り出せる電力は、損失を無視すると、風速の2乗に比例する。
(5)太陽光発電は、太陽電池によって直流の電力を発生させる。需要地点で発電が可能、発生電力の変動が大きい、などの特徴がある。
2016(平成28)年度「電力」問5
×の理由
すっかりおなじみとなった風力発電で取り出せる電力は、風速の3乗に比例する。
上記より、誤っている選択肢は(4)と判断できる。
答(4)
各種発電(7)
問題 二次電池に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)リチウムイオン電池、NAS電池、ニッケル水素電池は、繰り返し充放電ができる二次電池として知られている。
(2)二次電池の充電法として、整流器を介して負荷に電力を常時供給しながら二次電池への充電を行う浮動充電方式がある。
(3)二次電池を活用した無停電電源システムは、商用電源が停電したとき、瞬時に二次電池から負荷に電力を供給する。
(4)風力発電や太陽光発電などの出力変動を抑制するために、二次電池が利用されることもある。
(5)鉛蓄電池の充電方式として、一般的に、整流器の定格電圧で回復充電を行い、その後、定電流で満充電状態になるまで充電する。
2014(平成26)年度「電力」問5
×の理由
二次電池は当初から定格電圧で充電すると、電池電圧が低いため、充電電流が大きく、整流器や電池にダメージを与えてしまう。
そのため、最初は定電流での均等充電として、電池電圧の回復時点で定電圧充電に切り替える。
上記より、誤っている選択肢は(5)と判断できる。
答(5)
各種発電(8)
問題 中小水力や風力発電に使用されている誘導発電機の特徴について、同期発電機と比較した記述として、誤っているのは次のうちどれか。
(1)励磁装置が不要で、建設及び保守のコスト面で有利である。
(2)始動、系統への並列などの運転操作が簡単である。
(3)負荷や系統に対して遅れ無効電力を供給することができる。
(4)単独で発電することができず、電力系統に並列して運転する必要がある。
(5)系統への並列時に大きな突入電流が流れる。
2002(平成14)年度「電力」問4
×の理由
誘導発電機の特徴を表1にまとめる。
これより、誤っている選択肢は(3)と判断できる。
答(3)

各種発電(9)
○の理由
(ア)(イ)地熱発電は、地下から取り出した蒸気でタービンを回して発電する。発電に適した地熱資源は火山地域に多く存在する。
(ウ)(エ)バイオマス発電は、有機物から得られる燃料を利用する発電方式で、燃料の代表的なものには、木くずからつくられる固形化燃料や、家畜の糞からつくられる気体燃料がある。
上記より、正しい組み合わせは(3)と判断できる。
答(3)

各種発電(10)
○の理由
(ア)バイオマス発電は、植物等の有機性資源を用いた発電と定義することができる。
(イ)作物に吸収される二酸化炭素量と発電時の二酸化炭素発生量を同じとすることができれば、環境に負担をかけない。
(ウ)(エ)バイオマス発電を発電事業として成立させるためのエネルギー作物等の量的確保の問題や、食料をエネルギーとして消費することによる作物価格への影響が課題となりつつある。
上記より、正しい組み合わせは(5)と判断できる。
答(5)

各種発電(11)
○の理由
(ア)太陽光発電の大量導入に伴い、日中の発電量が需要を上回る事例も報告されている。
(イ)需要電力の平準化や、電力の需給バランスの確保のために、揚水式発電が用いられている。
(ウ)電力貯蔵装置として蓄電池技術が向上している。
(エ)天候の急変時や発電所の故障発生時にも周波数を標準周波数へと回復させるために確保されているのは運転予備力である。
(オ)部分負荷運転中の水力発電機や火力発電機などが運転予備力の対象となる。
なお、原子力発電はベース供給力である。
上記より、正しい組み合わせは(5)と判断できる。
答(5)
文/不動 弘幸 イラスト/藤井 としたか
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