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原子力発電の×と〇を解き明かす【シン・Dr.フドー研究所】Vol.11
電験三種の論説問題にズームイン
2025.08.06
Vol.11
原子力発電①
電験の学習が、どのように現場実務に結びつくかを研究する「Dr.フドー研究所」。設立から4年、電験三種の問題を徹底的に分析し、現場実務と照合した結果、論説の「正誤問題」と「空白問題」に攻略の糸口をみつけることができた。電験三種を制し、主任技術者を志す受験者に狂喜乱舞のテーマを究明する。それが「シン・Dr.フドー研究所」だ。
正誤問題の「×の理由」とは? そして、空白問題に潜む「〇の理由」とは?
正解の理由に迫ることで知識を確実にストックし、現場実務とのリンクを盤石にすることができる。さあ、いますぐ研究所のドアをノックしようじゃないか!
原子燃料(1)
問題 軽水炉で使用されている原子燃料に関する記述として、誤っているのを次の(1)~(5)から一つ選べ。
(1)中性子を吸収して核分裂を起こすことのできる核分裂性物質には、ウラン235やプルトニウム239がある。
(2)ウラン燃料は、二酸化ウランの粉末を焼き固め、ペレット状にして使用される。
(3)ウラン燃料には、濃縮度90%程度の高濃縮ウランが使用される。
(4)ウラン238は中性子を吸収してプルトニウム239に変わるので、親物質と呼ばれる。
(5)天然ウランは約0.7%のウラン235を含み、残りはほとんどウラン238である。
2023(令和5)年度「電力」問4、2003(平成15)年度「電力」問4
×の理由
軽水炉のウラン燃料であるウラン235は、天然ウランに含まれるウラン235の割合(0.7%)を高め、核分裂しやすくするために濃縮度を3~5%にした低濃縮ウランが使用される。
上記より、誤っている選択肢は(3)と判断できる。
答(3)


原子燃料(2)
問題 原子力発電に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)現在、核分裂によって原子エネルギーを取り出せる物質は、原子量の大きなウラン(U)、トリウム(Th)、プルトニウム(Pu)であり、ウランとプルトニウムは自然界にも十分に存在している。
(2)原子核を陽子と中性子に分解させるには、エネルギーを外部から加える必要がある。このエネルギーを結合エネルギーと呼ぶ。
(3)原子核に何らかの外力が加えられて、他の原子核に変換される現象を核反応と呼ぶ。
(4)ウラン
を1g核分裂させたとき、発生するエネルギーは、石炭数トンの発熱量に相当する。
(5)ウランに熱中性子を衝突させると、核分裂を起こすが、その際放出する高速中性子の一部が減速して熱中性子になり、この熱中性子が他の原子核に分裂を起こさせ、これを繰り返すことで、連続的な分裂が行われる。この現象を連鎖反応と呼ぶ。
2014(平成26)年度「電力」問4
×の理由
現在、核分裂によって原子エネルギーを取り出せる物質は、原子量の大きなウラン(U)、トリウム(Th)、プルトニウム(Pu)で、ウラン以外は自然界に存在しない。
上記より、誤っている選択肢は(1)と判断できる。
答(1)

原子燃料(3)
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