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火力発電の×と〇を解き明かす【シン・Dr.フドー研究所】Vol.8
電験三種の論説問題にズームイン
2025.04.23
Vol.8
火力発電④
電験の学習が、どのように現場実務に結びつくかを研究する「Dr.フドー研究所」。設立から3年、電験三種の問題を徹底的に分析し、現場実務と照合した結果、論説の「正誤問題」と「空白問題」に攻略の糸口をみつけることができた。電験三種を制し、主任技術者を志す受験者に狂喜乱舞のテーマを究明する。それが「シン・Dr.フドー研究所」だ。
正誤問題の「×の理由」とは? そして、空白問題に潜む「〇の理由」とは?
正解の理由に迫ることで知識を確実にストックし、現場実務とのリンクを盤石にすることができる。さあ、いますぐ研究所のドアをノックしようじゃないか!
環境対策(1)
問題 火力発電所の環境対策に関する記述として、誤っているのは次のうちどれか。
(1)燃料として天然ガス(LNG)を使用することは、硫黄酸化物による大気汚染防止に有効である。
(2)排煙脱硫装置は、硫黄酸化物を粉状の石灰と水との混合液に吸収させ除去する。
(3)ボイラにおける酸素濃度の低下を図ることは、窒素酸化物低減に有効である。
(4)電気集じん器は、電極に高電圧をかけ、ガス中の粒子をコロナ放電で放電電極から放出させる正イオンによって帯電させ、分離・除去する。
(5)排煙脱硫装置は、窒素酸化物を触媒とアンモニアにより除去する。
2010(平成22)年度「電力」問2
×の理由
電気集じん器は電極に高電圧をかけ、ガス中の粒子をコロナ放電で放電電極から放出される負イオンによって帯電させ、分離、除去する。
上記より、誤っている選択肢は(4)と判断できる。
答(4)

環境対策(2)
問題 火力発電所の環境対策に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)接触還元法は、排ガス中にアンモニアを注入し、触媒上で窒素酸化物を窒素と水に分解する。
(2)湿式石灰石(石灰)-石こう法は、石灰と水との混合液で排ガス中の硫黄酸化物を吸収・除去し、副生品として石こうを回収する。
(3)二段燃焼法は、燃焼用空気を二段階に分けて供給し、燃料過剰で一次燃焼させ、二次燃焼域で不足分の空気を供給し燃焼させ、窒素酸化物の生成を抑制する。
(4)電気集じん器は、電極に高電圧をかけ、コロナ放電で放電電極から放出される負イオンによってガス中の粒子を帯電させ、分離・除去する。
(5)排ガス混合(再循環)法は、燃焼用空気に排ガスの一部を再循環、混合して燃焼温度を上げ、窒素酸化物の生成を抑制する。
2017(平成29)年度「電力」問3
×の理由
排ガス混合(再循環)法は燃焼用空気に排ガスの一部を再循環し、酸素濃度を下げる。これにより燃焼温度が下がるので、窒素酸化物の生成を抑制できる。
上記より、誤っている選択肢は(5)と判断できる。
答(5)



環境対策(3)
問題 次の文章は、火力発電所の環境対策についての記述である。記述中の空白箇所(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)(ア)高く (イ)低く (ウ)再熱器 (エ)水蒸気
(2)(ア)低く (イ)低く (ウ)節炭器 (エ)二酸化炭素
(3)(ア)低く (イ)高く (ウ)過熱器 (エ)二酸化炭素
(4)(ア)低く (イ)低く (ウ)節炭器 (エ)水蒸気
(5)(ア)高く (イ)高く (ウ)過熱器 (エ)水蒸気
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