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火力発電の×と〇を解き明かす【シン・Dr.フドー研究所】Vol.9
電験三種の論説問題にズームイン
2025.05.23
Vol.9
火力発電⑤
電験の学習が、どのように現場実務に結びつくかを研究する「Dr.フドー研究所」。設立から3年、電験三種の問題を徹底的に分析し、現場実務と照合した結果、論説の「正誤問題」と「空白問題」に攻略の糸口をみつけることができた。電験三種を制し、主任技術者を志す受験者に狂喜乱舞のテーマを究明する。それが「シン・Dr.フドー研究所」だ。
正誤問題の「×の理由」とは? そして、空白問題に潜む「〇の理由」とは?
正解の理由に迫ることで知識を確実にストックし、現場実務とのリンクを盤石にすることができる。さあ、いますぐ研究所のドアをノックしようじゃないか!
コンバインドサイクル発電(1)
問題 複数の発電機で構成されるコンバインドサイクル発電を、同一出力の単機汽力発電と比較した記述として、誤っているのは次のうちどれか。
(1)熱効率が高い。
(2)起動停止時間が長い。
(3)部分負荷に対応するため、運転する発電機数を変えるので、熱効率の低下が少ない。
(4)最大出力が外気温度の影響を受けやすい。
(5)蒸気タービンの出力分担が少ないので、その分復水器の冷却水量が少なく、温排水量も少なくなる。
2010(平成22)年度「電力」問3
×の理由
コンバインドサイクル発電はガスタービンによる発電と蒸気タービンによる発電を組み合わせたもので、蒸気タービンによる発電の保有水量が少ないため、起動停止時間が短く、即応性がいい。
上記より、誤っている選択肢は(2)と判断できる。
答(2)

コンバインドサイクル発電(2)
問題 排熱回収形コンバインドサイクル発電方式と同一出力の汽力発電方式とを比較した記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)コンバインドサイクル発電方式のほうが、熱効率が高い。
(2)汽力発電方式のほうが、単位出力あたりの排ガス量が少ない。
(3)コンバインドサイクル発電方式のほうが、単位出力あたりの復水器の冷却水量が多い。
(4)汽力発電方式のほうが大形所内補機が多く、所内率が大きい。
(5)コンバインドサイクル発電方式のほうが、最大出力が外気温度の影響を受けやすい。
2023(令和5)年度「電力」問2、2007(平成19)年度「電力」問3
×の理由
排熱回収形コンバインドサイクル発電は、ガスタービンによる発電と蒸気タービンによる発電を組み合わせた複合発電で、2回仕事をすることから総合効率は約60%と高い。
排熱を回収して利用するため、蒸気タービンの出力分担が小さく、汽力発電方式と比較して単位出力あたりの復水器の冷却水量は少ない。
上記より、誤っている選択肢は(3)と判断できる。
答(3)
コンバインドサイクル発電(3)
問題 コンバインドサイクル発電を同一出力の汽力発電方式と比較した記述として、誤っているのは次のうちどれか。
(1)コンバインドサイクル発電のほうが熱効率が高い。
(2)コンバインドサイクル発電のほうが温排水量が少ない。
(3)コンバインドサイクル発電のほうが、最大出力が外気温度の影響を受けやすい。
(4)コンバインドサイクル発電のほうが起動停止時間が短い。
(5)コンバインドサイクル発電のほうが多様な燃料を使用できる。
2001(平成13)年度「電力」問2
×の理由
コンバインドサイクル発電ではガスタービン発電側で燃料を使用する。燃料として、気体燃料や液体燃料は使用できるが、石炭のような固体燃料は使用できない。
使用燃料によって性能の影響を受けるので、LNG、LPG、灯油などが使用される。
上記より、誤っている選択肢は(5)と判断できる。
答(5)
コンバインドサイクル発電(4)
問題 ガスタービン発電と汽力発電を組み合わせたコンバインドサイクル発電方式を、同一出力の汽力発電方式と比較した記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)熱効率が高い。
(2)起動・停止時間が短い。
(3)蒸気タービンの出力分担が小さいので、復水器の冷却水量が少ない。
(4)最大出力が外気温度の影響を受けやすい。
(5)大型所内補機が多いので、所内率が大きい。
2022(令和4)年度下期「電力」問3
×の理由
コンバインドサイクル発電方式は、圧縮機とガスタービンを直結して運転するので大型所内補機が少なく、所内率が低い。
上記より、誤っている選択肢は(5)と判断できる。
答(5)

コンバインドサイクル発電(5)
問題 ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)燃焼用空気は、空気圧縮機、燃焼器、ガスタービン、排熱回収ボイラ、蒸気タービンを経て、排ガスとして煙突から排出される。
(2)ガスタービンを用いない同容量の汽力発電に比べて、起動停止時間が短く、負荷追従性が高い。
(3)ガスタービンを用いない同容量の汽力発電に比べて、復水器の冷却水量が少ない。
(4)ガスタービン入り口温度が高いほど熱効率が高い。
(5)部分負荷に対応するための、単位ユニットの運転台数の増減が可能なため、部分負荷時の熱効率の低下が小さい。
2019(令和元)年度「電力」問5、2006(平成18)年度「電力」問2類似
×の理由
ガスタービンの燃焼用空気の流れは「空気圧縮機→燃焼器→ガスタービン→排熱回収ボイラ→煙突」の順で、蒸気タービンは関係ない。
上記より、正しい選択肢は(1)と判断できる。
答(1)
コンバインドサイクル発電(6)
問題 次の文章は、コンバインドサイクル発電の高効率化に関する記述である。記述中の空白箇所(ア)(イ)(ウ)および(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)(ア)高く (イ)温度 (ウ)耐熱 (エ)窒素酸化物
(2)(ア)高く (イ)圧力 (ウ)触媒 (エ)窒素酸化物
(3)(ア)低く (イ)圧力 (ウ)耐熱 (エ)ばいじん
(4)(ア)低く (イ)温度 (ウ)触媒 (エ)ばいじん
(5)(ア)高く (イ)圧力 (ウ)耐熱 (エ)窒素酸化物
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