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Step.15 学習計画を作成し、進捗を管理すべし!【電験三種~不動の法則~】
合格を導く20のステップ
2025.01.10
あしたの「主任技術者」のために
電験三種の受験者は、初めて挑戦する「ビギナー」から、何度も対峙している「エキスパート」まで、そのレベルは多岐にわたっている。だが、試験自体は小学生のときから経験し、複数の科目について、枚挙にいとまがないほど対策に取り組んできたはず。そのため、独自の方法で受験のコツが身についていると推測できる。
しかし、国家資格となると話は別。範囲が広く、出題パターンも独特なため、その試験にマッチした対策が要求される。
そこで「合格を導く20のステップ」だ。栄冠をつかむために、どのように取り組むべきか。そのメソッドを紹介していく。
あしたのために、さあ、いまこそ立ち上がろう!
Step.15 学習計画を作成し、進捗を管理すべし!
試験本番に向けて確実に成果を得るためには、学習計画の作成と進捗管理は欠かせない。今回は、学習スタイルに応じた学習計画の作成方法を紹介する。
電験三種は科目合格制度があるため、取得を目指して計画的に学習を進めることができるメリットがある。その反面、モチベーションをキープするためには1科目でも合格しておくことが求められ、さらに、栄冠をつかむ王道として、理論の合格は最優先事項に考えられている。全科目の基礎となるため、まず、目指すべき頂上に理論があるのだ。
合格を勝ち取るためには、戸惑いは禁物。いますぐ着手すべし!
(1)正統攻略型
じっくり時間をかけて学習するタイプの場合、理論、機械、電力、法規の順番で学習すると効率がいい。毎日2時間の学習に取り組んだとして、2年間で作成した学習計画を表1に示す。長丁場となるため、しっかりした信念を持って進めていく必要がある。この場合、力試しに途中で受験してみるのも手だ。
(2)効率追求型
効率追求型は取り組みやすい科目(電力、法規)を先行して科目合格し、あとで難易度の高い科目(理論、機械)に取り組むというスタイルである。
このタイプでも、最初に理論の直流回路と交流回路だけは1カ月程度は先に学習しておくことをオススメする。「急がば回れ」だ。
ここでは、過去問題は20年分、A問題に絞ってB問題は目を通す程度の「奇策3」を採用し、1日2時間の学習で1年半の計画を作成している(表2)。この場合も科目単位のテキストと過去問題集で学習するが、早い段階で2科目の合格を達成し、精神的な負担を軽くすることを心がけたい。
(3)一発勝負型
初めて電験三種にチャレンジし、都合よくいけば科目合格したいというタイプが一発勝負型だ。短期間での学習になるため、全科目が1冊にまとまったテキストと過去問題集を使用した学習が有効となる。表3に6カ月間の学習計画例を示す。また、直前の1カ月に行うべき学習内容を表4にまとめる。
(4)科目合格者
一発勝負型で科目合格した場合、合格までのルートがみえてきたような自信が生まれると思う。しかし、これからが正念場である。しっかり学習計画を作成し、栄冠を勝ち取ってほしい。
・1科目合格
合格した科目により、表5や表6のような半年間の学習計画を作成する。どちらも復習と過去問の実施期間を2カ月ほど確保できるので、気を緩めることなく、じっくり取り組むことをオススメする。
・2科目合格
1科目合格と同様に、合格した科目別に半年間の学習計画を作成する(表7~9)。どちらも復習と過去問の実施期間として2~4カ月ほど確保できるため、問題の反復学習を心がけたい。また、実力で問題が解けることを意識し、弱点となる科目や分野については補強学習をオススメする。
プロフィール
不動弘幸(ふどう・ひろゆき)
技術士事務所を経営する傍ら、資格試験の講師として全国各地を駆けめぐる合格案内人。電気分野を中心に、さまざまな資格に精通し、独自に確立した合格メソッドは多くの受験者から絶大な支持を得ている。オーム社が主催する「電験三種突破研究会」では約40年にわたって電力の講師を務め、合格者の輩出に全身全霊を傾けた。通称「ミスター電験」。
(撮影協力/一般財団法人 関東電気保安協会)
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