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キャリアアップ・ナビゲーターが展開する「It’s Show Time!」【電気の花道6】
資格・de・ダダダ
2025.09.10
Episode 6「名古屋たちばな高等学校」
「花の命は短くて」で始まる詩と同様に、3年間の高校生活はあっという間に終わってしまう。その限られた時間で輝くために、だれもが何かに夢中になっている。部活もそう、友だちとのアフタースクールもそう、バイトもそう、もちろん、恋愛だって……。多感な10代後半、みんな、青春を謳歌している。
しかし、この高校3年間は助走であって、決してピークではない。さらに輝きを放つ瞬間が、未来には星の数ほど存在しているのだ。
20代、30代と歳を重ねても輝き続けるためには、では、どうすればいいか?
それは、スクールライフに「資格」というエッセンスを追加すること。3年間を「ピークに向かうための準備期間」と考えるだけでいい。
この連載は、長年にわたって名古屋工学院専門学校で教鞭を執ってきた筆者が2018年7月から行っている「キャリア教育支援」で感じた喜怒哀楽を、そこはかとなく書き連ねた青春の応援歌である。
今回の舞台は愛知県の名古屋たちばな高等学校。さて、早速、キャリアの種をまいていくことにしよう……。
今回は愛知県の名古屋たちばな高等学校を紹介します。
私の所属している電波学園(大学1校、短大1校、高等学校1校、専門学校8校を運営する総合学園。名古屋工学院専門学校は、そのうちの1校です)と非常につながりの深い学校で、ベテランの先生たちは現在も「姉妹校」と呼んでいます。
2024年に男女共学化に踏み切ったのをキッカケに「名古屋たちばな高等学校」に改称しました。この学校の特徴ですが、とにかく、校舎がスゴイ! 初めて訪問したときの衝撃は、いまでも覚えています。
2015年に本校舎が竣工し、1階から8階までは吹き抜けの階段があり、教室もガラス張りで廊下から教室内がみえる構造になっています。もちろん、設備も最新で、学校は名古屋市の繁華街である金山駅周辺にあり、ロケーションも最高! このような環境のなか、スクールライフを満喫できる生徒は本当に幸せだと思います。
ただ、名古屋たちばな高校は「設備がキレイ」というだけではありません。学業においては、昨年、横浜アリーナで開催された「第5回電気工事技能競技全国大会」で3位入賞に輝きました。そのほかにも河川の水を浄化するエコロボットの制作に取り組んでいるなど、非常にユニークな学校でもあります。
また、クラブ活動にも力を入れ、硬式野球部は昨年の愛知県大会で甲子園常連校を次々に破って4強入りを果たしました。近い将来、甲子園出場の夢を叶えるかもしれません。
それ以外にも空手道部や自転車部が全国制覇を達成しています。学校の機関紙には、生徒たちが活躍している生き生きとした姿が掲載されています。
肝心の「キャリア教育支援」は大講堂で行いました。対象は電気科と電子科の2年生、170名です。電気電子分野で、これだけの生徒数がいる学校は全国でもめずらしいと思います。ほとんどの工業高校に電気科はありますが、その大半は1クラスで運営しています。電子科については、学科自体がない学校もあるほどです。
これだけ生徒を集められる秘訣を聞いたところ「学業、クラブ活動などの実績を、しっかり伝えている」とのことです。やはり、実績を残すだけではなく、きちんとPRすることの大切さを、あらためて感じました。
これだけの人数となると、いつものように生徒とコミュニケーションをとりながら進行するスタイルが難しくなります。しかし、石川県立羽咋工業高等学校で500名を対象に実施した経験が生きました。こちらからの質問に対して「声」で答える代わりに「挙手」という形で参加するように促したのです。
何でも経験ですね。新しい仕事は「こなす」ことで精いっぱいになりますが、この経験が血肉となります。「荷が重い」と思っても、やってみれば経験となり、のちのちに「あのときの経験が生きた」と思うことが多々あります。
また、実は「キャリア教育支援」の1週間前には進学相談会への参加の打診があり、20名ほどの生徒に本校の特徴を説明する機会がありました。たまたまですが、その生徒たちが講演にも参加して、見覚えのある生徒が「うんうん」とうなずいていた姿が印象に残っています。
「キャリア教育支援」の終了後、2年生の学年副主任を務める石原裕基先生(同じ名字ですが、血縁関係はありません)と意見交換を行いました。もしかすると、近い将来、おもしろい企画ができるかもしれません。決定しましたら、このコラムでPRしたいと思います。
何か1つの行動が次の行動へとつながり、それが次の大きな流れになる。結果として、そのときに考えてもいないことに結びついていく。このような時代だからこそ、走りながら考えることが必要なのかもしれませんね。


プロフィール
石原 昭(いしはら・あきら)
1965年生まれ。1990年4月から名古屋工学院専門学校に勤務。夜間部電気工学科のクラス担任を経て、1993年4月から昼間部電気工学科のクラス担任を務める。管理職となる2015年まで22年、ひたすら電験三種の指導を行い、クラス担任として預かった約300名の学生を電験三種に合格させる。現在はテクノロジー学部の運営とともに工業高校生に対して「キャリア教育支援」を展開している。「電験合格請負人」「電験教育の伝道師」の異名で東海地区の電気業界で活躍中。
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