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キャリアアップ・ナビゲーターが展開する「It’s Show Time!」【電気の花道7】
資格・de・ダダダ
2025.09.24
Episode 7「愛知県立豊橋工科高等学校」
「花の命は短くて」で始まる詩と同様に、3年間の高校生活はあっという間に終わってしまう。その限られた時間で輝くために、だれもが何かに夢中になっている。部活もそう、友だちとのアフタースクールもそう、バイトもそう、もちろん、恋愛だって……。多感な10代後半、みんな、青春を謳歌している。
しかし、この高校3年間は助走であって、決してピークではない。さらに輝きを放つ瞬間が、未来には星の数ほど存在しているのだ。
20代、30代と歳を重ねても輝き続けるためには、では、どうすればいいか?
それは、スクールライフに「資格」というエッセンスを追加すること。3年間を「ピークに向かうための準備期間」と考えるだけでいい。
この連載は、長年にわたって名古屋工学院専門学校で教鞭を執ってきた筆者が2018年7月から行っている「キャリア教育支援」で感じた喜怒哀楽を、そこはかとなく書き連ねた青春の応援歌である。
今回の舞台は愛知県立豊橋工科高等学校。さて、早速、キャリアの種をまいていくことにしよう……。
今回は愛知県立豊橋工科高等学校を紹介します。
愛知県において、私が取り組んでいる「キャリア教育支援」を応援し、他校にも推薦していただいている学校が豊橋工科高校です。学校のシンボルは正面玄関に鎮座している「からくり時計」で、初めて来校するとき、その素晴らしさに驚くと思います。
さて、同校での「キャリア教育支援」は、電気科科長の今泉先生から依頼があったのですが、これが驚くような内容でした!
『今年も「キャリア教育支援」、よろしくお願いいたします』
「承知しました。企業講話はどうしましょうか?」
『今年はナシで、先生のお話だけでお願いいたします』
こういったケースは何回か経験しているので、特に驚くことはなかったのですが……。
「わかりました。日程はどういたしましょう?」
『7月17日の木曜日、12時25分から15時でいかがでしょうか?』
12時25分から15時って、155分ですか!? 過去に経験があるのは50分×2コマの100分です。それよりも55分も長いなんて! 途中で2回の10分休憩を入れたとしても、35分も長いんですよ!
「この長時間を私の話だけ単独で行うとなると、みなさん、飽きちゃいますよ?」
『う~ん。でも、昨年度のお話を聞いた生徒からは石原先生の話がスゴくよかったという声が多かったんですよ。だから、このスケジュールでお願いいたします』
「わかりました」
わかりましたと答えたんですが、過去の「キャリア教育支援」のなかでも最長不倒記録。初対面の生徒に対して、正直、飽きさせない自信はありません。
「困ったなぁ……」と思いながらも、何ごともチャレンジだと開きなおり、構成を練りました。教員生活35年3カ月と17日(当時)、きっと多くの引き出しが自分を助けてくれるはず! と気持ちを奮い立たせて本番に挑みました。
私の講演は、生徒たちとコミュニケーションを取りながら進めていきます。内容は多岐にわたるのですが、全体として1つの物語になっています。そのため、規定の50分では急ぎ足となり、クラス全体を巻き込むためのコミュニケーションが不足気味となるのを感じていました。「あと10分あればなぁ」と……。
ただ、今回は時間がタップリ。ゆっくりとクラス全体を巻き込みながらの展開で、当初の予定どおり、終了時間ピッタリで閉幕となりました。
ひと安心してアンケートの記入と質疑応答に入ったとき、「キャリア教育支援」のクライマックスがやってきました!
終了後、ほとんどの学校で先生から「何か質問はありますか?」という言葉が入ります。そんなときの反応は、積極的に質問する生徒もいれば、黙ってうつむいている生徒もいたり、さまざまです。しかし、大半の生徒は聞きたいことはあるけれど、質問することが苦手な傾向にあります。
そんななか、豊橋工科高校は多くの生徒から手が挙がりました! 10名近くいたかもしれません。正直、驚きました。「いままでで一番いいキャリア教育支援になったかもしれない」と、このシーンに胸がジーンとなりました。
終了後のアンケートでも、講演時間について「短かった」「やや短かった」の項目に丸があり、非常に有意義な時間を提供することができたんだなと感じました。155分の最長不倒記録、やってよかったと思います。
さて、これは余談ですが、「豊橋カレーうどん」って、ご存じですか? カレーうどんのなかにトロロでガードされたごはんが入っているソウルフードです。せっかく豊橋に行くということで、老舗のうどん屋に直行しました。
カレーうどんを食したあと、いよいよごはんの登場です。和風のカレーだからカレーライスではなく、カレー丼に近い感覚。トロロが素晴らしい仕事をしています!
脱線しましたが、それぞれの地域の特色に触れることができるのも「キャリア教育支援」のメリットだと思っています。共通の話題が生徒との距離を縮めてくれますし、知らない地域で活動することがありましたら、ぜひ、試してみてください。きっと、心をつかむことができるはずです。


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プロフィール
石原 昭(いしはら・あきら)
1965年生まれ。1990年4月から名古屋工学院専門学校に勤務。夜間部電気工学科のクラス担任を経て、1993年4月から昼間部電気工学科のクラス担任を務める。管理職となる2015年まで22年、ひたすら電験三種の指導を行い、クラス担任として預かった約300名の学生を電験三種に合格させる。現在はテクノロジー学部の運営とともに工業高校生に対して「キャリア教育支援」を展開している。「電験合格請負人」「電験教育の伝道師」の異名で東海地区の電気業界で活躍中。
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