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キャリアアップ・ナビゲーターが展開する「It’s Show Time!」【電気の花道8】
資格・de・ダダダ
2025.10.08
Episode 8「長野県岡谷工業高等学校」
「花の命は短くて」で始まる詩と同様に、3年間の高校生活はあっという間に終わってしまう。その限られた時間で輝くために、だれもが何かに夢中になっている。部活もそう、友だちとのアフタースクールもそう、バイトもそう、もちろん、恋愛だって……。多感な10代後半、みんな、青春を謳歌している。
しかし、この高校3年間は助走であって、決してピークではない。さらに輝きを放つ瞬間が、未来には星の数ほど存在しているのだ。
20代、30代と歳を重ねても輝き続けるためには、では、どうすればいいか?
それは、スクールライフに「資格」というエッセンスを追加すること。3年間を「ピークに向かうための準備期間」と考えるだけでいい。
この連載は、長年にわたって名古屋工学院専門学校で教鞭を執ってきた筆者が2018年7月から行っている「キャリア教育支援」で感じた喜怒哀楽を、そこはかとなく書き連ねた青春の応援歌である。
今回の舞台は長野県岡谷工業高等学校。さて、早速、キャリアの種をまいていくことにしよう……。
今回は長野県岡谷工業高等学校を紹介します。
岡谷市は長野県の中央に位置し、精密機械の生産額は全国トップクラスを誇ります。そのため「東洋のスイス」と呼ばれているそうです。そのような街で岡谷工業高校は1912(明治45)年に創立し、諏訪地域の精密産業の担い手を育成してきた歴史があります。
まず、驚いたのが涼しい! この日、名古屋の気温は最低が26℃、最高は37℃の予想です。それに対して岡谷市は、なんと、最低が20℃、最高は31℃です。6℃も低い! さすが「東洋のスイス」です(笑)。
長野県には年間で10回以上はきているんですが、近年、夏は涼しいと思ったことはありません。長野県の先生たちも「最近は避暑地じゃなくなりました」と言うくらい暑い夏になっているようです。
でも、岡谷市は違いました。何が違うんでしょう? 特に日陰に入ると名古屋にはない涼しさを感じます。
岡谷工業高校はスポーツが盛んで、特に、バレーボール部は春高バレーで4連覇を達成するほどの名門校です。また、近年はロボコンにも力を入れ、一昨年は全国高校生ロボット競技大会で全国4位に輝いています。今年も全国大会出場を目指し、トレーニングに励んでいるようです。
興味深いことに、このロボコンに出場している「電気部」は電気科、情報技術科、電子機械科、機械科の生徒が所属し、いろいろな学科の生徒が集まって一致団結して取り組んでいます。こういった科を越えた活動は、きっと彼らにプラスαをもたらしてくれます。青春ですね。
さて、今回の「キャリア教育支援」は学科長の丸山先生より「9時~11時50分、好きに使ってください」というお墨つきをいただきました。
そこで、私の講演を通常の50分から70分に変更。20分の時間を取って、ペースを落としてクラス全体を巻き込みながら進めるという構成にしました。そう、豊橋工科高校で成功したパターンです。
さまざまな学校で「キャリア教育支援」を行っていますが、地域による特色があります。長野県は「マジメ」です。初めて行ったとき、東海地方に比べて生徒を巻き込むことができずに戸惑った覚えがあります。
しかし、アンケートの結果は同じような傾向で、講演中は積極的に話に参加してこなくても、みなさん、しっかり聞いてくれています。今回、休憩時間に生徒たちに声をかけたら、満面の笑みで元気よく返事をして、ワイワイガヤガヤと話をできたことが印象に残りました。こういった経験も「キャリア教育支援」の楽しさのひとつだと実感しています。
終了後は今回の企業パートナーである一般財団法人 中部電気保安協会の荒井部長と塩尻に移動し、少し遅めの昼食となりました。ここで意外な事実に出くわします。
信州の郷土料理に「山賊焼き」というものがあります。鳥の一枚肉を、ニンニクやショウガをしょうゆで漬け込んだタレで下味をつけて揚げたものです。味もさることながら、その大きさたるや! 初めて注文したとき、ビックリ仰天でした。
この「山賊焼き」ですが、私は松本名物だと思い込んでいました。初めて食したのが松本駅だったので、そのイメージが強かったんでしょう。これが、塩尻が発祥だというではありませんか! 塩尻駅の近くにある居酒屋「元祖山賊」から始まったそうです。
知らなかった……。名古屋名物の「天むす」が三重県津市が発祥だと知ったときと同じ衝撃でした。なにはともあれ、信州はソバだけではありません。塩尻にも松本にも、たくさん美味しいモノがありますよ!
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プロフィール
石原 昭(いしはら・あきら)
1965年生まれ。1990年4月から名古屋工学院専門学校に勤務。夜間部電気工学科のクラス担任を経て、1993年4月から昼間部電気工学科のクラス担任を務める。管理職となる2015年まで22年、ひたすら電験三種の指導を行い、クラス担任として預かった約300名の学生を電験三種に合格させる。現在はテクノロジー学部の運営とともに工業高校生に対して「キャリア教育支援」を展開している。「電験合格請負人」「電験教育の伝道師」の異名で東海地区の電気業界で活躍中。
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