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餅は餅屋、エネルギーなら電気科や!【電気教育、言いたい放題24】
電気科教員の「はてしないグチ」
2026.07.07
第24言「あれから40年。伝統校ではイヤミの数と予定調和だけ増えていく」
エネルギー教育に携わって十数年が経過する。
資源エネルギーや環境問題、電力供給問題など、高レベル放射性廃棄物の処理問題を、いかに授業に取り込んでいくか。
あるいは、教科横断型の取り組みも構想したり、総合学習や探求学習のなかにも実践事例を取り上げて、いかに授業に展開していくか。
そういったことを、小学校、中学校、普通科高校の先生たちと合同で考えている。
それにもかかわらず、「工業高校の電気科と連携しましょう」と声をかけてくる先生はいない。悔しい思いを何度も味わった。
あるとき、エネルギー教育に携わる教員の全国研修会に参加して、中央省庁寄りの講演のなかで『石油の埋蔵量は、あと約40年で枯渇する』という内容があった。
ほ~う、そうなのか。大変やなぁ~。われわれの子どもや孫の世代になったら、どうなることやらと考えたとき、ビリッと電流が身体を突き抜けた。
ちょっと待て! 筆者が工業高校生だったとき、発変電の授業で石油の埋蔵量は、あと約40年と習わなかったか!?
「あれから40年! 石油の埋蔵量は、なぜ、いつまでたっても40年!」
素朴な疑問で、なんで年数が減らないのか? クルマや火力発電を停止させたわけでもないし……。さすがに参加者の前で質問するのは、ちょっとカッコ悪い。
講演が終わり、トイレにいったとき、運よく? その講演者に遭遇した。血が騒いだ。
「失礼します。先ほどは立派なスピーチをありがとうございました。勉強になりました」と心にもない声をかける。
「すみません、他愛もない質問をしてよろしいでしょうか? 石油の埋蔵量は、あと約40年とおっしゃいましたが、本当に量ったのでしょうか?」
こうなったら、ドシロウトの発想です。都道府県の住民の特徴を強調するバラエティ番組の定番、ヒョウ柄のシャツを着た大阪のオバチャンの発想に近いものがある。参考までに、変換してみる。
「ちょっとぉ~、石油の埋蔵量は、あと40年って言うけど、ホンマにどうやって量ったん? アメちゃんあげるから、ちょっと教えてえな」
講演者は、さすがに顔を引きつらせる。
『あ、あれは、あくまでも推定量です。現在、地球に眠っている推定量を分子にして、1年間で全世界の石油消費量で割って約40年となります』
「ほお~、そうですか。私の高校時代にも石油の埋蔵量は、あと40年と習いました。とすると、この40年間で地層などがブレンドして、新たな油田ができたのでしょうか?」
『お、おっしゃるとおりで、新たな油田が発見されると確かに年数も変わってきます』
さすがに優等生らしい返答でした。このときは「ああ、なるほど! 貴重な話をありがとうございました」と言って、サッと引き下がった。もちろん、腹のなかでは「このくらいでカンベンしておこうか」と毒づいた。
次の全国研修会でも同じ講演者が登壇したが、ここで『石油の埋蔵量は、あと約40年ですが、新た油田が開発されたら年数は変わってきます』と補足説明が入った。
「ブフッ!」
思わず、吹き出してしまった。

プロフィール
今出川 裕樹(いまでがわ・ひろき)
1960年生まれ。大学卒業後、電気科の教員として工業高校に勤務。時事問題をぶっこみながらポイントを説明するユニークな授業を展開。その軽妙なトークは、爆笑のうずを巻き起こしつつ、内容を理解できるということで生徒に絶大な支持を得ている。50歳を前に電験三種に合格し、現在、二種に向けて鋭意勉強中。
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