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電気回路への応用を学習する【電気数学のすゝめ22】
電験取得のための第一歩
2026.02.18
22限目
電気回路への応用①
先生 前回は反比例と円のグラフで、最近は数学に近い内容を取り上げていたけど、今回のテーマは電気回路だ。
生徒 久しぶりだ! 7限目「合成抵抗の計算その4」で学習して以来です。
先生 あのときは合成抵抗の計算方法には触れたけど、抵抗の電気的なイメージは省略したよね。今回は抵抗、電流、電圧のイメージと、電気回路で使用する公式について学ぶことにしよう。
生徒 はい。
先生 まずは、合成抵抗の復習から取り組んでみよう。
練習問題
次の回路の合成抵抗R[Ω]を求めなさい。

答
(1)R=R1+R2=3+4=7[Ω]
(2)R=
+=
=
=
[Ω]
(3)R=
+=
=
=3[Ω]
先生 さて、できたかな?
生徒 はい、バッチリ!
先生 それでは、具体的に「抵抗」について考えてみよう。まず、電気回路には「電流」が流れるよね。電流は水の流れをイメージするとわかりやすいよ。
生徒 はい。
先生 そのとき、抵抗は電流の「流れにくさ」を表すことになる。水にたとえると、水の「流れにくさ」が抵抗になるんだ。
生徒 なるほど。
先生 ここで、図のような2本のホースを考えてみよう。どちらのホースが水が流れにくいと思う?

生徒 ホースBです。
先生 どうして?
生徒 細いからです。
先生 OK! 正解だ。それでは、次のケースでは?

生徒 ホースDのほうが長いし、クネクネしているから流れにくいと思います。
先生 そう、正解。水の流れにくさとホースには「ホースが細いほど流れにくい」「ホースが長いほど流れにくい」という2つの関係があるんだ。これを電気に置き換えてみると、どうなると思う? ちなみに、電気が流れるところは「導体」と表現しようか。
生徒 う~ん、導体が細いほど抵抗は大きくなるし、導体が長いほど抵抗は大きくなるってこと?
先生 うん、そうだね。これを数式化してまとめてみよう。

先生 黒板の式を比例、反比例という言葉を使って表現すると、どうなるかな?
生徒 抵抗Rは導体の長さlと抵抗率ρに比例し、導体の断面積Sに反比例します。
先生 OK! ちなみに、抵抗は導体の温度が上がっても大きくなるんだ。
生徒 ???
先生 温度が高いときは物質の原子の運動が激しくなって、電流の流れを妨げるからだよ。これも電気の学習が進めば扱う話だから、いまのうちから覚えておこう。
生徒 は~い。
先生 それじゃあ、練習問題に取り組んでみよう。
練習問題
(1)抵抗率ρ=1.62×10-8Ω・m、長さl=2m、断面積S=0.04m2の導体の抵抗R[Ω]を求めなさい。
(2)抵抗率ρ=2.62×10-8Ω・m、長さl=100m、抵抗R=0.05Ωの導体の断面積S[m2]を求めなさい。
(3)20℃において、ある銅線の電気抵抗を測定したところ、R20=6.45Ωであった。同様に40℃で同じ銅線の電気抵抗を測定したところ、R40=7.00Ωであった。銅線の抵抗温度係数α[1/K]を求めなさい。ただし、関係式はR40=R20{1+α(40-20)}=R20(1+20α)[Ω]である。
答
(1)R=ρ
=
=81.0×10-8[Ω]
(2)S=ρ
=
=52.4×10-6[m2]
(3)関係式を「α=」の形にするため、まず、両辺をR20でわると「
=
(1+20α)=1+20α」となる。
これを変形すると「
-1=20α、
=
=α」となり、問題の数値を代入する。
α=
=
≒0.004264=
[1/K]
先生 練習問題の解説をすると、(1)の導体の正体は銀なんだ。抵抗率が低い金属として有名で、オーディオにこだわる人は配線に銀を使ったりしているんだよ。
生徒 へぇ~。
先生 長さ2mで、抵抗は81.0×10-8Ωと、ほぼゼロだね。だから、銅線の抵抗はゼロとみなすことができるんだ。
生徒 そうなんですね。
先生 (2)の導体はアルミニウムで、(3)は少し驚いたと思うけど、温度と抵抗の関係を扱った問題なんだ。
生徒 意味はわからなかったけど、数値を代入して何とか解けました。
先生 この問題も電験三種で出題されたことがあるんだ。ようするに、導体は温度が高くなると抵抗値が上がるということ。20℃で6.45Ωだけど、40℃では7.00Ωになっているでしょう。
生徒 あっ、ホントだ!
先生 さて、次は抵抗の接続方法について学習しよう。

先生 抵抗のイメージを理解できたら、合成抵抗の計算もわかりやすくなるよ。
生徒 そうか、直列はホース同士をつなげると考えればいいんだ!
先生 そう。直列の合成抵抗がたし算というのも、これで納得できるでしょう?
生徒 並列はホースの本数が増えるから水(電流)が流れやすくなるんですね。
先生 そのイメージができればOKだよ。よし、次のステップに進もう。
生徒 はい!

先生 それでは黒板に注目。このような回路を「ブリッジ回路」と呼ぶんだ。
生徒 難しそう……。
先生 そう思うよね。でも、この回路の抵抗で「R1×R4=R2×R3」の関係が成り立つと、一気に簡単な回路になるよ。もちろん、成立しない場合もあるけど、ブリッジ回路が出てきたら、まずは「R1×R4=R2×R3」が成り立つか調べるのが解答の鉄則になるんだ。
生徒 それにしても「R1×R4=R2×R3」って、覚えにくいなぁ……。何かコツはありますか?
先生 向かい合う抵抗の積が等しいと覚えておけばいいよ。
生徒 あっ、ホントだ!
先生 それでは、練習問題に取り組んで今日は終わりにしよう。
生徒 はい、ありがとうございました!
練習問題
次の回路における端子a-b間の合成抵抗R[Ω]を求めなさい。

答
このブリッジ回路が平衡しているか調べるため、まずは「R1×R4=R2×R3」が成り立つか確認する。
R1×R4=3×4=12
R2×R3=6×2=12
ここから「R1×R4=R2×R3」が成り立つのでブリッジ回路は平衡状態であると判断できる。したがって、問題図は以下のような図になる。
以上より、合成抵抗R[Ω]を求める。
R12=R1+R2=3+6=9、R34=R3+R4=2+4=6
R=
=
=
=3.6[Ω]

講師/村山 慎一
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