令和6年度 技術士第一次試験<基礎・適性科目>解答・解説PDFデータ販売中!
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電験取得のための第一歩
2024.03.14
先生 前回は複雑な並列回路における合成抵抗の計算と、同じ値の抵抗を並列につないだ回路における合成抵抗の求め方を取り上げました。今回は特別なケースに取り組もうと思います。生徒 えっ、また合成抵抗ですか……。先生 ひと目みただけで合成抵抗がわかるパターンだから大丈夫! まずは前回の復習で、以下の練習問題を解いてみようか。生徒 は~い。
練習問題次の図の端子間合成抵抗Rを求めなさい。
答 (1) R = R 1 2 ( = R 2 2 ) = 2 2 = 1 [ Ω ] (2) R = R 1 2 ( = R 2 2 ) = 15 2 [ Ω ] (3) R = R 1 4 ( = R 2 4 = R 3 4 = R 4 4 ) = 24 4 = 6 [ Ω ] (4)R2、R3、R4の合成抵抗R5を求める。 R 5 = R 2 3 ( = R 3 3 = R 4 3 ) = 18 3 = 6 [ Ω ] 合成抵抗R5はR1と同じ抵抗値となるため、Rは以下で求められる。 R = R 1 2 ( = R 5 2 ) = 6 2 = 3 [ Ω ]
生徒 できました! 先生 同じ値の抵抗を並列に接続した場合の合成抵抗は「 抵抗値 並列接続した抵抗の数 」になるんだったね。生徒 はい、このパターンはカンペキです!
先生 それでは、いよいよ特別なパターンの解説に入ろうか。まずは、次の問題を考えてみよう。
練習問題次の回路図の端子間合成抵抗Rを求めなさい。
生徒 さすがに計算をする気力がないです。抵抗の値もバラバラだし、1つだけ抵抗値が0Ωがあるから少しは計算もラクだとは思いますが、それでも4つの抵抗の合成抵抗を求めないとならないんだよなぁ……。簡単に合成抵抗を求められるパターンなんですか? 先生 うん、そうだよ。先に答を言ってしまうと、この回路の合成抵抗は「0Ω」なんだ。 生徒 えっ、なんでなんで? 1つは0Ωだけど、抵抗が4つも接続されているんですよ。 先生 じゃあ、実際に「和分の積」を使って確かめてみよう! 生徒 まず、R1と R2の合成抵抗R6を求めると……。 R 6 = R 1 × R 2 R 1 + R 2 = 10 × 0 10 + 0 = 0 10 = 0 [ Ω ] あっ、0Ωになった。 先生 そうすると、以下のような回路図に書き換えられるよね。今度はR6とR3の合成抵抗R7を求めてみようか。
生徒 R 7 = R 6 × R 3 R 6 + R 3 = 0 × 4 0 + 4 = 0 4 = 0 [ Ω ] あっ、また0Ωになりました! 先生 気がついた? 並列回路のなかに0Ωの抵抗が1つでもある場合、その合成抵抗は0Ωになるんだ。 生徒 0Ωの抵抗が含まれていると、たしかに「和分の積」の値は0Ωになります。 先生 実際の試験では、0Ωの抵抗部分は抵抗の図記号(長方形)ではなく、直線で描かれるから注意してね。 生徒 はい、わかりました。 先生 この回路のような状態のことを短絡(ショート)というんだ。回路図の表し方とともに覚えておいてね。並列回路の合成抵抗は計算が複雑だと思いがちだけど、ポイントさえ押さえておけば簡単な計算にすることができるんだよ。 生徒 ラクをできるのは嬉しいです! 先生 複雑な心境になったよ……。でも、効率よく計算する方法を知っていることは、時間との勝負にもなる試験では大きなアドバンテージになるよね。今回で分数と合成抵抗は一段落だ。いままでの総復習も兼ねて、練習問題を解いて終わりにしよう。 生徒 はい、ありがとうございました!
答 (1) R = R 1 2 ( = R 2 2 ) = 10 2 = 5 [ Ω ] (2) R = R 1 3 ( = R 2 3 = R 3 3 ) = 18 3 = 6 [ Ω ] (3)R3=0[Ω]だから、合成抵抗R=0[Ω] (4)R1と R2の合成抵抗R4を求める。 R 4 = R 1 × R 2 R 1 + R 2 = 3 × 6 3 + 6 = 18 9 = 2 [ Ω ] 合成抵抗R4はR3と同じ抵抗値になるため、Rは以下で求められる。 R = R 3 2 ( = R 4 2 ) = 2 2 = 1 [ Ω ] (5)R1と R2の合成抵抗R5を求める。 R 5 = R 1 × R 2 R 1 + R 2 = 30 × 15 30 + 15 = 450 45 = 10 [ Ω ] 次に、R3と R4の合成抵抗R6を求める。 R 6 = R 3 × R 4 R 3 + R 4 = 15 × 30 15 + 30 = 450 45 = 10 [ Ω ] 2つの合成抵抗R5とR6は同じ抵抗値になるため、Rは以下で求められる。 R = R 5 2 ( = R 6 2 ) = 10 2 = 5 [ Ω ] (6)R2とR3の合成抵抗R4を求める。 R 4 = R 2 × R 3 R 2 + R 3 = 10 × 15 10 + 15 = 150 25 = 6 [ Ω ] したがって、R1とR4の合成抵抗Rは以下となる。 R=R1+R4=4+6=10[Ω] (7)R2とR3、R4の合成抵抗R5を求める。 R 5 = R 2 3 ( = R 3 3 = R 4 3 ) = 42 3 = 14 [ Ω ] したがって、R1とR5の合成抵抗Rは以下となる。 R=R1+R5=2+14=16[Ω] (8)R2とR3、R4の合成抵抗R6を求める。 R3=0[Ω]より、合成抵抗R6=0[Ω] したがって、R1とR6、R5の合成抵抗Rは以下となる。 R=R1+R6+R5=15+0+5=20[Ω]
(講師/村山 慎一)
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