2限目 分数の四則演算
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生徒 確かに、半分になっている。
1
2
と同じ!
先生 そう。そのまま計算すると
4
8
になるけど、実は、
1
2
と同じことなんだ。このように、一番小さい数の分数に直すことを「約分」っていうんだ。
生徒
4
8
より
1
2
のほうがイメージしやすいですね。でも、頭のなかで円を考えて計算するのは時間がかかりますよね。何かいい方法はありませんか?
先生 そうだね。方法としては「分子と分母を0以外の同じ数でわる」といいよ。分数は分母と分子を0以外の同じ数でかけても、わっても、大きさは変わらないという性質があるからね。例えば、
4
8
の場合、分子と分母は「2」でわれそうだ。そうすると、
4
÷
2
8
÷
2
=
2
4
となるよね。
生徒
2
4
なら、また2でわれそうです。
2
÷
2
4
÷
2
=
1
2
ですね。
先生 そう、そういうことだ! それじゃあ、練習問題に取り組んで約分をマスターしよう。
練習問題
次の計算をしなさい。なお、約分できるものは約分すること。
(1)
1
9
+
2
9
(2)
11
14
−
9
14
(3)
6
10
−
3
10
(4)
17
25
+
2
25
(5)
17
33
−
6
33
(6)
27
75
+
8
75
答
(1)
1
9
+
2
9
=
1
+
2
9
=
3
9
(分子と分母を3でわる)=
1
3
(2)
11
14
−
9
14
=
11
−
9
14
=
2
14
(分子と分母を2でわる)=
1
7
(3)
6
10
−
3
10
=
6
−
3
10
=
3
10
(4)
17
25
+
2
25
=
17
+
2
25
=
19
25
(5)
17
33
−
6
33
=
17
−
6
33
=
11
33
(分子と分母を11でわる)=
1
3
(6)
27
75
+
8
75
=
27
+
8
75
=
35
75
(分子と分母を5でわる)=
7
15
先生 約分もマスターしたようだね。よし、次のテーマに入ろう。「
1
2
+
1
5
=?」は解けるかな?
生徒 こんなのカンタンです! 分数のたし算だから、同じように…… あれ? 前の問題と違って分母が同じ数じゃない。どうやって計算すればいいんだろう。分子も分母も、そのままたせばいいのかな?
先生 その方法だとダメなんだ。まずは、分母を同じ数にそろえてあげるんだよ。お互いの分母の数をかけると、すぐに共通の数が出てくるね。
1
2
+
1
5
=
1
×
5
2
×
5
+
1
×
2
5
×
2
=
5
10
+
2
10
=
7
10
このように、分母を同じ数にすることを「通分」というんだ。ここで重要になるのが「分子と分母の両方に同じ数をかける」ということ。分子と分母に同じ数をかけないと、最初の分数の大きさが変わってしまうからね。さて、早速、トレーニングしてみよう。
練習問題
次の計算をしなさい。なお、約分できるものは約分すること。
(1)
1
6
+
1
7
(2)
1
8
−
1
9
(3)
8
14
−
2
7
(4)
6
12
+
5
6
(5)
3
10
−
2
5
(6)
3
13
+
3
4
(7)
3
4
+
5
8
(8)
5
6
−
3
5
答
(1)
1
6
+
1
7
=
1
×
7
6
×
7
+
1
×
6
7
×
6
=
7
42
+
6
42
=
13
42
(2)
1
8
−
1
9
=
1
×
9
8
×
9
−
1
×
8
9
×
8
=
9
72
−
8
72
=
1
72
(3)
8
14
−
2
7
=
8
×
7
14
×
7
−
2
×
14
7
×
14
=
56
98
−
28
98
=
28
98
(分子と分母を14でわる)=
2
7
(4)
6
12
+
5
6
=
6
×
6
12
×
6
+
5
×
12
6
×
12
=
36
72
+
60
72
=
96
72
(分子と分母を24でわる)=
4
3
(5)
3
10
−
2
5
=
3
×
5
10
×
5
−
2
×
10
5
×
10
=
15
50
−
20
50
=
−
5
50
(分子と分母を5でわる)=
−
1
10
(6)
3
13
+
3
4
=
3
×
4
13
×
4
+
3
×
13
4
×
13
=
12
52
+
39
52
=
51
52
(7)
3
4
+
5
8
=
3
×
8
4
×
8
+
5
×
4
8
×
4
=
24
32
+
20
32
=
44
32
(分子と分母を4でわる)=
11
8
(8)
5
6
−
3
5
=
5
×
5
6
×
5
−
3
×
6
5
×
6
=
25
30
−
18
30
=
7
30
生徒 通分すると、分子も分母も数が大きくなるから、計算が大変でした。約分できるかどうかも考えないといけないし……。
先生 実は、もっと計算がラクになる通分の方法があるんだよ。
生徒 ホントですか? 教えてください!
先生 まずは、考えてみてよ。ヒントは約分できた計算問題のなかにあるんだ。
生徒 う~ん。
先生 例えば、練習問題(3)をみてみよう。分母の数で気がつくことはないかな?
生徒 あっ、14は7の倍数だ!
先生 いいところに気がついたね。そう、この問題で通分する場合、次のように分母を14で通分すれば計算がラクになるよ。
8
14
−
2
7
=
8
14
−
2
×
2
7
×
2
=
8
14
−
4
14
=
4
14
=
2
7
生徒 ずいぶんラクになりました。最初から教えてくれたらよかったのに……。
先生 ものごとは順序が大切なんだ。遠回りでも、試行錯誤して答えを導くほうが身につくんだよ。
生徒 は~い。
先生 実は、まだ計算をラクに行う方法があるんだ。次は
8
14
に注目してみよう。何か気がつかない?
生徒 あっ、2で約分できます!
先生 正解! だから、練習問題(3)は次のように解くこともできるね。計算する前に約分できるかどうかを確かめると、数字が大きくならないから計算がラクになるよ。
8
14
−
2
7
=
4
7
−
2
7
=
2
7
生徒 ほかの問題でも試してみよう。
先生 それが終わったら、今回の授業はここまでにしよう。
生徒 ありがとうございました。
別解
(4)
6
12
+
5
6
=
3
6
(2で約分)
+
5
6
=
8
6
=
4
3
(5)
3
10
−
2
5
=
3
10
−
2
×
2
5
×
2
=
3
10
−
4
10
=
−
1
10
(7)
3
4
+
5
8
=
3
×
2
4
×
2
+
5
8
=
6
8
+
5
8
=
11
8
(講師/村山 慎一)