Column
キャリアアップ・ナビゲーターが展開する「It’s Show Time!」【電気の花道23】
資格・de・ダダダ
2026.04.22
Episode 23「静岡県立島田工業高等学校」
「花の命は短くて」で始まる詩と同様に、3年間の高校生活はあっという間に終わってしまう。その限られた時間で輝くために、だれもが何かに夢中になっている。部活もそう、友だちとのアフタースクールもそう、バイトもそう、もちろん、恋愛だって……。多感な10代後半、みんな、青春を謳歌している。
しかし、この高校3年間は助走であって、決してピークではない。さらに輝きを放つ瞬間が、未来には星の数ほど存在しているのだ。
20代、30代と歳を重ねても輝き続けるためには、では、どうすればいいか?
それは、スクールライフに「資格」というエッセンスを追加すること。3年間を「ピークに向かうための準備期間」と考えるだけでいい。
この連載は、長年にわたって名古屋工学院専門学校で教鞭を執ってきた筆者が2018年7月から行っている「キャリア教育支援」で感じた喜怒哀楽を、そこはかとなく書き連ねた青春の応援歌である。
今回の舞台は静岡県立島田工業高等学校。さて、早速、キャリアの種をまいていくことにしよう……。
この「キャリア教育支援」、2025年度は40校から依頼がありました。多くの学校から声をかけていただけるようになったのですが、まったく面識のない学校から依頼が入ることはありません。2017年から活動を始め、1校1校、ていねいに訪問して電気科の学科長の先生に趣旨説明を繰り返してきました。
その結果、2017年は0校、2018年は4校、2019年は8校(新型コロナウイルス感染症のため3校は実施不可)と少しずつ実施できる学校を増やしてきました。
そのうち口コミで広がり、多くの学校で展開できるようになりました。ただ、口コミの力は県を越えることはありません。基本的に高校の先生は地方自治体の職員だから、他の自治体との交流は少ないようです。
静岡県においては、2021年度は実績がない状態でした。そのため2022年5月に静岡行脚に出たのですが、そのときに最も熱心に話を聞いていただけたのが科学技術高等学校の森先生、そして、島田工業高等学校の佐藤先生です。
当時の佐藤先生は電気科の学科長で、まったく面識のない私に対して、1時間以上も話を聞いてくれたのです! 「キャリア教育支援」も2022年10月に実施。すごい決断力です。これが縁で、静岡県にも広がっていった経緯があります。
2025年度は、どのようなカタチで行うか相談したときも「2コマを用意したので、先生のやりやすいようにしてください」との返事をいただきました。たぶん、信用していただいているのだと思います。
そこで、今回は私の講演を2コマ分、行うことにしました。数校からの依頼で、このようなケースは過去にもありました。ある意味、私自身のチャレンジと思って受けています。
たっぷり時間があるので、いつも以上に生徒たちとコミュニケーションをとりながら進めていったところ、興味深い反応がありました。休憩時間に多くの生徒が質問にやってきて、それだけで嬉しいのですが、特に熱心だったのが秋山瑠輝くん、鈴木蒼くんです。
いろいろ質問があって、その1つに「勉強が苦手なんですけど、そんなボクでも電験三種を取ることができますか?」というものがありました。
私は「キャリア教育支援」で必ず伝えることがあります。
「人間の能力に大差はない。もし、勉強が苦手だと思っているなら、それは勘違いしているだけなんじゃない? 成果が表れないとしたら、それは能力の問題ではなく、方法に問題があるだけだよ。正しい方法で、必要な時間をかければ、必ず電験三種は取れます!」
このような話をすることができました。さらに驚くことに、終了後も別の生徒が質問に! 自分自身のチャレンジで行った2コマ講演が、結果的に成功することができたと思います。
また、微笑ましい光景として、最後に佐藤先生が締めで放った「オレが普段から話している内容と同じだったろ?」という言葉に対して、生徒の反応がおもしろかったこと。しっかり信頼関係が築けていると感じました。
島田工業高校のよさを象徴するシーンもありました。
飯田校長先生が2コマとも最初から最後まで参加していたことです。このような先生の姿を、生徒たちはみています。理想のリーダー像というのは、さまざまなカタチがあると思います。しかし、16歳の少年たちにダイレクトに心に響くのは「率先垂範」だと考えます。驚いたことに、私が校舎を出る最後の最後まで校長先生が見送ってくださいました。
また、学科長の磯部先生に島田工業高校の特色を聞いたところ、以下のような回答がありました。
「地道にコツコツとやり続けることです。そのため、卒業生も企業で活躍して、島田工業の卒業生だったら大丈夫! と信頼を築いていると思います」
このような環境で育つ生徒たちの将来が楽しみです。
講演終了後に名古屋へ戻ったとき、駅に着いて最初に思ったのが「寒い!」ということ。静岡は本当に温暖ですごしやすい地域でした。この4日後に科学技術高校の「キャリア教育支援」があります。また、島田工業高校には2026年2月に進学相談会での講演依頼が入りました。昨年度末は静岡ツアーを楽しみました。



プロフィール
石原 昭(いしはら・あきら)
1965年生まれ。1990年4月から名古屋工学院専門学校に勤務。夜間部電気工学科のクラス担任を経て、1993年4月から昼間部電気工学科のクラス担任を務める。管理職となる2015年まで22年、ひたすら電験三種の指導を行い、クラス担任として預かった約300名の学生を電験三種に合格させる。現在はテクノロジー学部の運営とともに工業高校生に対して「キャリア教育支援」を展開している。「電験合格請負人」「電験教育の伝道師」の異名で東海地区の電気業界で活躍中。
関連記事

Column

Column

Column

Column

Column

Column

Column

Column
