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キャリアアップ・ナビゲーターが展開する「It’s Show Time！」【電気の花道14】
資格・de・ダダダ
2025.12.24
Episode 14「長野県松本工業高等学校」
「花の命は短くて」で始まる詩と同様に、3年間の高校生活はあっという間に終わってしまう。その限られた時間で輝くために、だれもが何かに夢中になっている。部活もそう、友だちとのアフタースクールもそう、バイトもそう、もちろん、恋愛だって……。多感な10代後半、みんな、青春を謳歌している。
しかし、この高校3年間は助走であって、決してピークではない。さらに輝きを放つ瞬間が、未来には星の数ほど存在しているのだ。
20代、30代と歳を重ねても輝き続けるためには、では、どうすればいいか？
それは、スクールライフに「資格」というエッセンスを追加すること。3年間を「ピークに向かうための準備期間」と考えるだけでいい。
この連載は、長年にわたって名古屋工学院専門学校で教鞭を執ってきた筆者が2018年7月から行っている「キャリア教育支援」で感じた喜怒哀楽を、そこはかとなく書き連ねた青春の応援歌である。
今回の舞台は長野県松本工業高等学校。さて、早速、キャリアの種をまいていくことにしよう……。
今回は長野県松本工業高等学校を紹介します。
松本といえば、真っ先に思い浮かぶのが国宝「松本城」ではないでしょうか。私がいる名古屋市も「尾張名古屋は城でもつ」という伊勢音頭の一節があるとおり、名古屋市のシンボルといえば、天守閣を飾る金の鯱を持つ「名古屋城」です。ただ、残念ながら名古屋城は太平洋戦争の空襲により天守閣が消失してしまいました。現在の名古屋城は1959年に鉄骨鉄筋コンクリート造で再建されたものです。
それに対し、松本城は現存する12天守の1つであり、国宝指定された5城のうちの1つになります。特に、冠雪した北アルプスをバックにした松本城は絶景です。
さて、長野県の工業高校は学校の壁を取り払い、県内の工業高校で電気を学ぶ生徒を集めて「電験学習合宿」を毎年12月に実施しています。すばらしい試みで、毎年、私たちも講師として参加しています。この会場になっているのが松本工業高校です。
以前は塩尻にある教育センターで行っていましたが、各校の生徒が集まりやすいということで、ちょうど長野県の中央に位置する松本市、松本工業高校に会場が変わったようです。
この松本工業高校での「キャリア教育支援」は、いつもと雰囲気が違っていました。何が違うというと、全員が私服です！ 最近の高校は、男子は学生服よりブレザーが多くなってます。しかし、長野県は歴史が新しい学校以外は私服の学校が多いようです。
担当した小栗先生も「私が教員になった40年前から私服でした」とのこと。長野県の学校の特徴に「自主性を重んじる」があります。その一環なのかもしれません。
講演後の雑談で、すでに第二種電気工事士に多くの生徒が合格し、第一種も1名が合格していました。そのうちの1人の会話です。
「電験三種に挑戦してみたら？」
『実は、受けたんですけど、まったく歯が立たなかったんです。ただ、今回の講演を聴いて、もう一度、挑戦したいと思いました！』
何人かの生徒からも「挑戦したい！」との声が上がりました。
これこそが「キャリア教育支援」の目的の1つです！ そういった意味でも、いい講演になったと思います。
恒例の名物探索は、生徒にリサーチしてみました。
「松本城！」
「山賊焼き！」
「おやき！」
いろいろなフレーズが上がるなか、興味深いものがありました。
「松本駅のアナウンス！」
JR松本駅で電車が到着するときに流れる「まつもとぉ～、まつもとぉ～」のアナウンスは松本市民にとっての日常であり、特に大学や仕事で県外に出た人にとっては故郷を感じるみたいです。私は何気なく聞き流していました。
調べてみると、40年前からのアナウンスで、この「声」が11月16日で最後になるとのことです。この「キャリア教育支援」は10月31日に実施したので、おそらく、私が聞くのも最後になるはず。しっかり耳に残して名古屋に帰りたいと思います。
何気なく見すごしたり、聞き流したりしている日常風景にも、それぞれの人の営みがあることを実感した日となりました。
プロフィール
石原 昭（いしはら・あきら）
1965年生まれ。1990年4月から名古屋工学院専門学校に勤務。夜間部電気工学科のクラス担任を経て、1993年4月から昼間部電気工学科のクラス担任を務める。管理職となる2015年まで22年、ひたすら電験三種の指導を行い、クラス担任として預かった約300名の学生を電験三種に合格させる。現在はテクノロジー学部の運営とともに工業高校生に対して「キャリア教育支援」を展開している。「電験合格請負人」「電験教育の伝道師」の異名で東海地区の電気業界で活躍中。
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