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キャリアアップ・ナビゲーターが展開する「It’s Show Time!」【電気の花道12】
資格・de・ダダダ
2025.12.10
Episode 12「岐阜県立大垣工業高等学校」
「花の命は短くて」で始まる詩と同様に、3年間の高校生活はあっという間に終わってしまう。その限られた時間で輝くために、だれもが何かに夢中になっている。部活もそう、友だちとのアフタースクールもそう、バイトもそう、もちろん、恋愛だって……。多感な10代後半、みんな、青春を謳歌している。
しかし、この高校3年間は助走であって、決してピークではない。さらに輝きを放つ瞬間が、未来には星の数ほど存在しているのだ。
20代、30代と歳を重ねても輝き続けるためには、では、どうすればいいか?
それは、スクールライフに「資格」というエッセンスを追加すること。3年間を「ピークに向かうための準備期間」と考えるだけでいい。
この連載は、長年にわたって名古屋工学院専門学校で教鞭を執ってきた筆者が2018年7月から行っている「キャリア教育支援」で感じた喜怒哀楽を、そこはかとなく書き連ねた青春の応援歌である。
今回の舞台は岐阜県立大垣工業高等学校。さて、早速、キャリアの種をまいていくことにしよう……。
今回は岐阜県立大垣工業高等学校を紹介します。
大垣というと何をイメージしますか? 歴史ファンは「関ヶ原の戦い」を思い浮かべるのではないでしょうか。西軍の実質的な総大将である石田三成が本拠地としていたことで有名ですね。
また、大垣市は「水の都」と呼ばれています。地図で確認するとわかりますが、大垣市は内陸に位置します。なぜ「水の都」なのか……。それは木曽川、長良川、揖斐川の伏流水が濃尾平野の地質構造により地下に蓄積されます。これを「地下水盆」といいます。そのために地下水が自噴する地点が数多くあり、「水の都」と呼ばれる理由となっています。
大垣にある世界的な電子部品メーカーの「イビデン株式会社」も「揖斐川電力株式会社」として設立した歴史があります。もちろん、水力発電です。産業は、その地域の特色を表していますね。
大垣工業高校は電気・電子工学科群の「くくり募集」を行っていて、1年次は3クラスが共通の科目を習い、2年次から電気工学科、電子工学科、情報技術工学科の専門分野に分かれます。
今回の「キャリア教育支援」は1年生ということで、3クラス、105名が対象になります。いつもは40名を対象にしているので少し多くなりますが、過去に500名を対象に行ったこともあるので特に問題はありません…… と言いたいところですけどね、2年前に初めて経験したときは戸惑いました(苦笑)。
会場は大会議室で、生徒はコの字に着席。ステージは「コ」の開いている部分にありますが、私は生徒たちとコミュニケーションをとりながら進めていくスタイル。そうすると、周りを囲まれる状態です。
「どこを向いたらいいんだろう?」と戸惑ったものです。講演の開始前に撮った写真をみると雰囲気がわかると思います。
今回は、いつもの私の講演と企業講演ではなく、電気と電子を私が担当し、情報を本校コンピューター・IT分野の学科長が担当するプログラムを組みました。2年次のクラス分けですが、年によって希望学科にバラつきがあるそうです。近年は「情報」の人気が高いようで、なんとか私の話で「電気」「電子」の希望を増やしたい! でも、それぞれが希望学科に進むことが最も大切です。ただ、このバランスが難しいと大垣工業高校の先生たちは言っていました。
印象に残ったのは、講演が始まる前に情報技術工学科・科長の橋田圭介先生が3クラスの生徒をコントロールし、落ち着いた状態にしていたことです。生徒たちが聴く姿勢になってから話を始めることができたので、非常にやりやすかったです。最初は戸惑ったコの字の会場も中央に陣取り、270°全体を見渡しながら進めることで、いつものペースで話すことができました。
休憩時間に生徒たちに声をかけると、明るく元気に答える姿も好印象です。「大垣の名物って、なに?」と尋ねると、いっせいに「水まんじゅう!」という返答がありました。
以前から大垣名物に「水まんじゅう」というものがあると聞いていたのですが、食した経験はありません。
「どこで食べられるの?」
『いろんなところで売っているけど、駅が一番いいと思います』
早速、帰りに寄ってみました。和菓子屋があるのは気づいていたのですが、そこが地元で有名な「金蝶園総本家 大垣駅前本店」だったとは! 一番人気の「3色まんじゅう」を購入して帰路に就きました。涼しげな和菓子で、夏にピッタリ(今回の講演は2025年9月に実施)。大垣にくることがあったら、ぜひ、食べてください。

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プロフィール
石原 昭(いしはら・あきら)
1965年生まれ。1990年4月から名古屋工学院専門学校に勤務。夜間部電気工学科のクラス担任を経て、1993年4月から昼間部電気工学科のクラス担任を務める。管理職となる2015年まで22年、ひたすら電験三種の指導を行い、クラス担任として預かった約300名の学生を電験三種に合格させる。現在はテクノロジー学部の運営とともに工業高校生に対して「キャリア教育支援」を展開している。「電験合格請負人」「電験教育の伝道師」の異名で東海地区の電気業界で活躍中。
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