Column
キャリアアップ・ナビゲーターが展開する「It’s Show Time!」【電気の花道15】
資格・de・ダダダ
2026.01.07
Episode 15「岐阜県立可児工業高等学校」
「花の命は短くて」で始まる詩と同様に、3年間の高校生活はあっという間に終わってしまう。その限られた時間で輝くために、だれもが何かに夢中になっている。部活もそう、友だちとのアフタースクールもそう、バイトもそう、もちろん、恋愛だって……。多感な10代後半、みんな、青春を謳歌している。
しかし、この高校3年間は助走であって、決してピークではない。さらに輝きを放つ瞬間が、未来には星の数ほど存在しているのだ。
20代、30代と歳を重ねても輝き続けるためには、では、どうすればいいか?
それは、スクールライフに「資格」というエッセンスを追加すること。3年間を「ピークに向かうための準備期間」と考えるだけでいい。
この連載は、長年にわたって名古屋工学院専門学校で教鞭を執ってきた筆者が2018年7月から行っている「キャリア教育支援」で感じた喜怒哀楽を、そこはかとなく書き連ねた青春の応援歌である。
今回の舞台は岐阜県立可児工業高等学校。さて、早速、キャリアの種をまいていくことにしよう……。
今回は岐阜県立可児工業高等学校を紹介します。
岐阜県可児市といえば、真っ先に思い浮かぶのが…… ない! 可児市のみなさん、ごめんなさい。本校の岐阜県出身の教員に聞いても「ない」との答えが返ってきました。
地域ネタがなくて困ったなと思いながら「キャリア教育支援」を始めたところ、驚きました!
「第二種電気工事士を持っている人は?」
質問してみると、クラスの70~80%の生徒が手を挙げたんです!
「みんな、1年生だよね?」
思わず、確認してしまいました。1年生の上期で受験して合格したってこと? 受験手続きもギリギリなんじゃない?
学科長の神戸先生に尋ねたところ、高校受験のあと、電気工学科に合格した生徒には、第二種電気工事士試験を受けるように案内を出しているとのことです。
東海地方を中心に50校ほどの工業高校を訪問していますが、1年生の上期で受験している学校は聞いたことがありません。筆記方式を選んだとしても、受験は5月下旬です。高校に入学してから正味5~6週間しかありません。さらに技能もあります。その状態で70~80%の合格だなんて、驚くばかりです!
驚いているばかりいる私に、神戸先生がたたみかけてきました。
「第一種電気工事士の学科試験に受かっている人は?」
10名近い生徒が手を挙げるではありませんか! 第一種電気工事士の筆記方式は10月上旬が受験日です。高校に入学して半年ですよ。
本校のような専門学校ならわかりますが、専門的な勉強だけでなく、一般教養も学ぶ工業高校では聞いたことがありません。
第二種電気工事士については、多くの学校は2年生で受験し、国家資格の取得に力を入れている学校でも1年生の下期です。それが、すでに1年生でクリアしているなんて……。これは、電験のタネをまくには最高の環境が整っている学校かもしれないと思いながら「キャリア教育支援」を始めました。
この学校の特徴は、とにかく、生徒が明るい。私の質問にも恥ずかしがらずに答える生徒が多く、やりやすい講演となりました。みんな、リアクションがスバラシイ!
ただ、「キャリア教育支援」のあとに気になったことがあります。第二種電気工事士試験に落ちてしまった生徒のことです。この日は学園祭の前日ということで、いつもより時間に余裕がありました。そこで、本校の事例を紹介しました。
「第二種電気工事士、落ちてしまった人は?」
20~30%の生徒が、ゆっくりと手を挙げました。
「まだ勝負はついていないよ。本校の卒業生で、こんなケースがありました。彼も工業高校出身で、高校のときは第二種電気工事士試験を2回受験して、2回とも学科試験で落ちました。その彼が本校に入学して、2年生で電験三種に合格。3年生で電験二種に合格し、その勢いにのって電力会社から内定をもらいました。さらに、入社1年目で電験一種に合格しています。人間の能力に大差はありません。成果が出ないとしたら、それは能力の差ではなくて、方法が間違っているだけです。しっかり取り組んでいる友だちを観察しながら、自分に合ったスタイルをみつけてください。資格は、努力すれば必ず取れます!」
いろいろなリアクションがありましたが、この言葉を信じて、もう一度、チャレンジしてほしいと思います。
余談ですが、神戸先生からの依頼があり、可児工業高校において新しい試みを行いました。この学校は、毎年、夏休みに中学生と保護者を対象としたオープンキャンパスを行っています。そこに本校の電気工学科の科長・小林を派遣して「電気のオモシロ実験」を展開しました。電気に興味を持ってもらうことが狙いです。
結果は大盛況! 早くも来年度の予約が入りました。
このように、技術者を育成するタネを、これからもドンドンまいていきます!



プロフィール
石原 昭(いしはら・あきら)
1965年生まれ。1990年4月から名古屋工学院専門学校に勤務。夜間部電気工学科のクラス担任を経て、1993年4月から昼間部電気工学科のクラス担任を務める。管理職となる2015年まで22年、ひたすら電験三種の指導を行い、クラス担任として預かった約300名の学生を電験三種に合格させる。現在はテクノロジー学部の運営とともに工業高校生に対して「キャリア教育支援」を展開している。「電験合格請負人」「電験教育の伝道師」の異名で東海地区の電気業界で活躍中。
関連記事

Column

Column

Column

Column

Column

Column

Column

Column
