Column
キャリアアップ・ナビゲーターが展開する「It’s Show Time!」【電気の花道27】
資格・de・ダダダ
2026.06.25
Episode 27「愛知県立刈谷工科高等学校」
「花の命は短くて」で始まる詩と同様に、3年間の高校生活はあっという間に終わってしまう。その限られた時間で輝くために、だれもが何かに夢中になっている。部活もそう、友だちとのアフタースクールもそう、バイトもそう、もちろん、恋愛だって……。多感な10代後半、みんな、青春を謳歌している。
しかし、この高校3年間は助走であって、決してピークではない。さらに輝きを放つ瞬間が、未来には星の数ほど存在しているのだ。
20代、30代と歳を重ねても輝き続けるためには、では、どうすればいいか?
それは、スクールライフに「資格」というエッセンスを追加すること。3年間を「ピークに向かうための準備期間」と考えるだけでいい。
この連載は、長年にわたって名古屋工学院専門学校で教鞭を執ってきた筆者が2018年7月から行っている「キャリア教育支援」で感じた喜怒哀楽を、そこはかとなく書き連ねた青春の応援歌である。
今回の舞台は愛知県立刈谷工科高等学校。さて、早速、キャリアの種をまいていくことにしよう……。
今回は愛知県立刈谷工科高等学校を取り上げます。
刈谷市といえば、自動車関係の企業が集まっています。刈谷工科高校の近くにもトヨタ車体、トヨタ紡績、デンソー、愛知製鋼などがあり、そのため刈谷工科高校は工業高校のなかでも非常に求人が多い傾向にあります。学科長の先生も「この学校の生徒たちは本当に恵まれていますよ」と話していました。
刈谷工科高校の特徴の1つとして、電気科が2クラス、2年生だけで79名の生徒がいるところです。東海地方で電気科が2クラスもある学校は数えるほどしかありません。そのような状況で2クラス体制をキープしているのは驚くべきことだと思います。
経済産業省の「2040年の産業構造・就業構造の推計」によると、2040年にはAIやロボットによって文系人材は214万人の余剰となり、逆に専門技術人材は49万人、AIおよびロボット人材は326万人が不足するといわれています。それを補うためには工業高校が非常に重要な役割を担っていて、それを確実に守っているのが刈谷工科高校です。
さて、その刈谷工科高校でのキャリア教育支援ですが、79名が対象ということで、いつもと違って少し圧迫感がありました…… が、ところがドッコイ! 非常に明るく、元気な生徒ばかりで、気持ちよく講演することができました。
また、学科長の先生から「時間も好きに使ってもらっていいですよ」との嬉しい言葉もいただいたので、ゆっくりと生徒を巻き込みながら展開できたと思います。
たっぷり時間があったので、途中で休憩を入れたとき、1名の生徒がスタスタスタッと質問にきました。
「電験の勉強をしているんですが、どのように勉強をすると効率よくできますか?」
なんて嬉しい質問なんでしょう! 猛烈に感動していると、刈谷工科高校の先生から「この年度は電験の勉強をしている生徒が多いんですよ」とのこと。
なるほど! あまりの嬉しさに、本当は企業秘密なんだけど、本校の「電験日本一」の秘訣を披露しました。
この休憩時間に「掲載用に写真を撮りたいから、顔が写っても問題ない生徒は一緒にどう?」と声をかけると、10名の生徒が集まってくれました。みんな、電験合格を目標に勉強をしているということで、いい表情をしています。このような生徒たちが日本のインフラを支えていくから、もっともっと電験受験者が増えていくことを願っています。
そういった生徒を育てている工業高校は、本当に重要な役割を担っています。こんなステキな生徒たちとの出会いも「キャリア教育支援」の醍醐味です。みんな、ありがとう!
以前も書きましたが、雰囲気のいい学校の特徴として、このような講演を実施しているときに多くの先生が参加することが挙げられます。
刈谷工科高校も同じ。10名近い先生が講演に参加して、生徒はもちろん、先生たちが醸し出す雰囲気もバツグンでした。このような先生たちの姿勢を自然に学んでいるから、生徒たちも学習に対して意欲的になるんだと思います。
休憩時間に、ある先生から「この内容を中学校の先生にしてもらえませんか?」という依頼がありました。
実は、このようなリクエストは案外と多いんです。工業高校の魅力、メリットに気づいていない中学校の先生や保護者が多いという話をよく聞きます。就職では普通科と比較にならない状態で、進学でも指定校推薦枠が多いわりには進学を希望する生徒が少なく、普通科より大学進学が狙いやすかもしれません。
工業高校の魅力を、もっともっとアピールしなければなりません! このコンテンツが少しでも中学校の先生や保護者の目に届くことを願っています。



プロフィール
石原 昭(いしはら・あきら)
1965年生まれ。1990年4月から名古屋工学院専門学校に勤務。夜間部電気工学科のクラス担任を経て、1993年4月から昼間部電気工学科のクラス担任を務める。管理職となる2015年まで22年、ひたすら電験三種の指導を行い、クラス担任として預かった約300名の学生を電験三種に合格させる。現在はテクノロジー学部の運営とともに工業高校生に対して「キャリア教育支援」を展開している。「電験合格請負人」「電験教育の伝道師」の異名で東海地区の電気業界で活躍中。
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